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ズルイヒト《寿嶺二》

第19章 ズルイヒト♭②







俗に言うWデートってやつ!






流石に4人でいきなり休みを合わせるのは難しくて、1泊2日ならぬ、日帰り遊園地に到着。先日、ミューちゃんがハロウィン特集の雑誌のページで、この遊園地のお菓子が凄い!の欄を見ていた。
お陰ですんなりと誘えた訳だが、ミューちゃんの彼女さんはパティシエ見習いさんで、きっと彼女の為(ほとんど自分の為だろうけど)な感じなのだろう。


うーん。愛だなぁ。







.......愛、だよね?
初っ端からお化け屋敷って、ミューちゃん、ほんとにお菓子の事しか考えてないような足取りだから、彼はブレない。
正直に言うと、お化け屋敷は全然苦手ではないんだけど、もっと、こう、楽しーい!爽快っ!な、やつから行けると思ってたから、計算が狂っちゃう。

しかし、こんなことは想定内である。うまーいこと二手に分かれて、僕ちんは愛梨ちゃんと2人でGOGO~。
こういうのは怖がってる女の子を格好よく守るってのが相場なんだけど、いかんせん、驚かされる系はそこまで得意ではない。でも遊園地って、くっつく口実スポットが満載だよね。


ってことで、さり気なく手を繋いで、暗がりを歩く。


「あ、あの...」


と、戸惑う愛梨ちゃんの手は、僕の掌がちょっと余っちゃって女の子の手って感じで、なんかグッときた。
飲みの席でこういうこと言うと、ランランは同意してくれるんだけど、アイアイは『おじさんみたい』って言うんだよね。まったく、男のロマンが分かって無いなぁ。


とかそんな事を考えながら出口を目指す。
そしたら突然「ひゃあ!」と声と共に引っ張られた。



びっくりして、愛梨ちゃんの上に倒れ込んだ




ヤバい。もうちょっとで、口と口がくっつくとこだった。
愛梨ちゃんから、良い匂いがしたから、なんかラッキーハプニング的な感覚でドキッとしたんだけど.....アイアイのセリフが過ぎったのは気にしないもん。

焦っているのを悟られないように、愛梨ちゃんに立って貰って、そのまま出口へ向かう。外へ出れば「ハッピーハロウィン!」とお化けさんからお菓子を貰った。


ミューちゃん達はどこにいるだろうか。


目的の人達を発見して、手を振って近づいて行く。
あ、しまった。手を繋いだままだった。

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