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ズルイヒト《寿嶺二》

第18章 ズルイヒト♭①






彼女の言葉は、胸にストンと落ちてきて、心地良い。




そんな彼女が、僕の事をどんな風に思ってるのか知りたくて、耳を傾けててたら、はた、と彼女が喋るのを止めちゃった。あれ、もうちょっとだったんだけどな....そんな気持ちを込めて、じっと見つめてたら、また眉毛が下がりだした。


なんだろう、ちょっとイケナイコトしてる気分かもかも。


自分のサドっけな部分を自覚して、彼女の言葉を待つ。突然、お酒を一気飲みして、覚悟を決めたであろう顔のキミ。






「か、かしわもち、みたいだなって思ってます!!!!」







....きょとん、としちゃった。

色んな物に例えられたことはあるけれど、和菓子に例えられたのは初めてで、なにより、どう考えても告白みたいな流れで、ミューちゃんみたいなこと言われたから、思わず大声で笑ってしまう。


メニュー表で隠しきれてない、真っ赤になったキミの顔が可愛くて、後、そんな可愛らしいものに例えられると思って無かったから、笑いが止まらない。

そんな僕にお水頼もうか?と心配してくれる。少なくとも、笑わせたかった言葉ではないだろうに、キミは優しいなぁ。僕もお酒を飲み干して、改めて決めた。



もっとお近付きになりたいって。



勤勉の彼女なら、研究って言えば断らないだろうをいい事に、内容を告げたら、今度は顔が青くなった、と思ったら赤くなった。忙しい表情から、僕は目が離せない。これで、僕の研究も捗るし、彼女といる時間も作れる。


僕の下心に気付いているのかは分からないけれど、名前で呼んで、と伝えたらキミは、必死に僕の名前を間違えまいと練習してる。




アイアイが、水野さんは面白いって言ってたけど、僕もそう思う。



もちろん、彼とは意味合いが違うだろうけど、これから彼女とどう接しようか、そんな事が楽しみで、ニヤニヤしちゃうや。







「よろしくね、愛梨ちゃん」








お酒を飲み干すキミ。今度こそ、お水は頼んでおこっと。
約束を忘れられないように、店員さんを呼んだ。




明日からが楽しみだ。





まだまだ酔わない自分に、ウキウキしながら、時間は過ぎていった。
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