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ズルイヒト《寿嶺二》

第16章 ズルイヒト♮④-2



もうこんな時間だ。嶺二くんも、きっと帰っている時間だろう。
誰かに連絡を頼もうにも、内容が内容だけに、お願いし辛い。家に帰るまで、どうしたら良いのかずっと考えていたが、やはり携帯が直ったらすぐに連絡を取るしかないかもしれない。




誤解されてませんように




そう願いながら、眠りに付く。
明日の朝は早い。











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これから研修先へ向かうため、朝早くから家を出発した。
手元に携帯が無いのは不安すぎるため、待ち合わせ場所に今日のメンバーがいるのを見て安心した。美風くん、彼女、教授、私がいて、後あいつだけかぁ、なんて教授が言えば、お待たせー!と明るい声がとんでくる。


え?と思って声のした方を見れば、そこには手を振ってやって来た嶺二くん。あれ!寿くんじゃん!なんで?あいつは??と、彼女さんが聞けば、直前になって予定が変わったらしく、僕が代打で行きマース!との事。


まさかこんな所で会えるとは思わなかった。よろしくね~と嫌そうな顔の美風くんに絡んでいる嶺二くん。よろしくー!と笑顔の彼女さんに、よ、よろしく、と言うしかない私。いざ新幹線にのって、目的地へ出発だ。


これはチャンスかもしれない。この研修の間に、嶺二くんと話せますように。










....と言って、2人きりになるチャンスなんて、ほとんど無い。
別に遊びに来ている訳では無いので、到着早々、色んな学会の人の話を聞いて、休憩があっても、彼女さんが隣に居てくれるし、夜は交流会という名の立食パーティだかなんだかで、結局は人が沢山いる状況である。
ホテルは男女で部屋が別れているし、何も出来ないまま、1日目が終わってしまった。



次の日の朝。ホテルの朝食バイキングに彼女さんと来れば、丁度、美風くんと嶺二くんも来た所だった。彼女さんが2人をみつければ、それは凄いトントン拍子に話が進み、朝ごはんを一緒に食べ、お昼までの自由時間で一緒に観光しよう!となった。彼女の行動力を見習いたい。





「やっぱり観光地は人が多いね」
「修学旅行みたいでテンション上がるねぇ」
「ひゃあ!清水の舞台って、思ってたより高いや!」
「へぇ、実際見ると結構あるね。レイジ、ここから飛び降りてみてよ」
「アイキャンフラーイ!...ってする訳ないでしょ!」


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