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ズルイヒト《寿嶺二》

第11章 ズルイヒト♮①-2




「愛梨ちゃん」
「は、はい」
「僕ね、悩んでたんだよね。まだ、頼って良いのかなって」
「...うん」
「愛梨ちゃんとの時間は、凄く楽しいし、レポートだって、凄く捗るから、ついつい甘えちゃって」
「う、うん...」
「愛梨ちゃんだって、自分の時間が必要なのに、僕にばっかり構ってて大丈夫かなって思ったんだ」
「そ、そんなこと...」
「だから距離をとって、ちゃんと考えようと思ったんだけど....」




そっと、手を握られた。




「・・・愛梨ちゃんの顔見たら、ダメだった」




また、困った様な、あの瞳。
大丈夫、今度は、きちんと見れた。




「・・・た、頼ってほしい。私だって、嶺二くんと居るの、楽しいよ。甘えてるのは、私の方。嶺二くんは、嫌かもしれないけど、甘えられる人が居るのって、凄く良い事だと思う」
「....そうかな?」

「うん、嶺二くんは....人のSOSに、敏感な人だけど、きっと、そうすることで、自分のSOSが言えなくなってるんじゃないかなって...思う。か、勝手な想像だけど、たくさん、努力してる人だと思う。それで、救われる人は、絶対にいます。め、目の前の人もそうです!さ、探し物のことも、研究のことだって、感謝しかないよ」


手をぎゅっと、握り返す。


「き、きっかけはなんであれ、嶺二くんが甘えたかったら、あ、甘えて、下さい!悲しいことがあったら、傍に居る。間違えた事があれば、一緒に考えたい。苦しいことは乗り越えていきたい。嶺二くんとの時間は、私にとってかけがえの無いものだから、嶺二くんが思ってること、知りたいし、もっと繋がりたモゴッ「ス、ストーーップ!!愛梨ちゃん、ストップ!」・・・モゴゴ」




・・・あぁ、またやってしまった。一度スイッチが入ると、止まらなくなってしまうのは悪い癖だ。嶺二くんに口元を抑えられて、モゴモゴしてしまう。
そんな彼の顔は、心無しか赤い。





「・・・ごめん、ちょっと、こんな熱烈なの、初めてだから...」
「モゴゴ(ご、ごめん)」
「なんか、告白されるより、恥ずかしいかもしれない」
「モゴモゴ!?(こ、告白!?」
「いや、これなら、好きって言われた方がまだ...」
「モゴゴ...?(い、今なんて....?」
「あ、ごめん」
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