第11章 ズルイヒト♮①-2
「ちょっと、止められない」
ズッ
「.....うぁ!?....アァ...ッ」
「...っ....はぁっ....」
さっきとは比べ物にならない、圧迫感。
確かに感じる、自分の中に割り込んでくる、ソレの感覚。
多少の痛みと、苦しさに、思わず涙が滲む。
どうしよう、さっきまでのフワフワやゾクゾク感よりも、痛いと苦しいが勝って、涙が溢れてくる。嫌じゃないのに、嶺二くんを困らせてしまう。
ペロッ
ビックリして、目を開けたら、そこには嶺二くんの困ったような顔。
あ、これは、涙を、舐められたんだ。
思わず、しょ、塩っぱくない?と聞くと、ブハッ!と吹き出す嶺二くん。
な、なんだろう、嶺二くんのツボがちょっと分からない。
「...ふ、普通、もっと聞くとこ、あると思うんだけど...くくっ...」
「ふぇ?え?」
「あはは!ううん、ちょっとだけ塩っぱいけど」
「う、うん...」
「愛梨ちゃんが甘いから、丁度いい」
一瞬訳が分からなかったけど、意味が分かると、ぼっ、と顔が赤くなる。
も~!我慢してるのにー!と、嶺二くんが言うと同時に、中の物がゆるゆる動くのが分かる。さっきに比べて、痛く無いような気がする。
「...愛梨ちゃんの中、まだ、キツ...」
「うぁ...ご、ごめん、なさ..」
「...もうちょっと...ほんとは、我慢してたいんだけど...」
嶺二くんにキスされて、ごめんね、と囁かれた。
え...?と思ったら、そのまま身体を突き上げられた。
「い゛ぁ...!?」
「.....っ....んっ...!」
嶺二くんの吐息が、耳元で聞こえる。
愛梨ちゃん、と私を呼ぶ声が、なんだか切なくて、胸の方が苦しくなる。ギュッと抱きつけば、嶺二くんのキスが降ってくる。キスすると、痛みが無くなるように感じて、ずっと舌を絡めあう。
激しくは無いけれど、ゆっくりと、奥までズクっと突かれると、その度に変な感覚になる。痛みはあるけれど、なんだか最初のゾワゾワする感覚が来て、次第にもどかしく感じる。
嶺二くんを見れば、その瞳は、私が惹かれたあの瞳で。
「れ、嶺二くん...」
「...ん、なぁに?」
「あ、あの...アッ...だ、だいじょぶ......だか、ら....!」