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ズルイヒト《寿嶺二》

第11章 ズルイヒト♮①-2








その顔に、心臓だけじゃない、何かがギュッとなった。







上手く喋れない。嫌じゃないし、もしそういうことをするなら嶺二くんが良いけれど、初めてみる、嶺二くんの顔に、言葉が上手く紡げない。
嶺二くんは、まっすぐ私の目を見ている。

本当に、その瞳に見つめられると、どうしたらいいか分からなくなる。
でも、意図は明確で、私もそれに応えたいとは思っている。

どうしたら伝えられるか分からなくて、そっと、彼の身体に触れる。
んっ....と、嶺二くんから吐息が漏れて、思わず手を引っ込めようとするが、その手は嶺二くんに取り押さえられる。


そういうことだと、思っていい?


小さく頷くと、引っ張られて身体が浮く。
横抱きにされて、ベッドの上に運ばれて、今度はそっと、背中から下ろされる。


さっきより心臓がうるさい。


もう、暗がりに目は慣れてしまった。上半身裸の嶺二くんは、私の上に跨って、優しく頬を撫でてくれる。その手が気持ちよくて、また、擦り寄ったら、今度は口付けられた。
さっきみたいに、激しいやつじゃなくて、少しゆっくりとしたキス。それでも、心臓の音は早いし、呼吸もちょっと苦しい。

ふと、身体に触れる何かに、ビクッとなった。
嶺二くんの手が、服の下に入って来ている。お腹辺りを触れられて、何だかくすぐったい。れ、嶺二くん、と声を漏らせば、嫌なら言って、とそのまま手が上に上がってくる。

その手つきは優しくて、でも、くすぐったいような、もどかしいような、自分ではよく分からない感覚だけど、い、嫌じゃ、ない...、と答えれば、うん、と言われて、またキスされる。



胸の突起に嶺二くんの手が触れると、ひゃっ!と自分の知らない声が出た。
そのまま服を捲られて、嶺二くんの顔が移動してく。


「あっ...!」
「ふふっ、敏感だね」


ちゅ、と吸われて、そこに神経が集まったみたいに反応してしまう。
くすぐったいのとは違う感覚に、自分の身体じゃないみたいだ。
嶺二くんは顔を上げて、ニコッと笑ったかと思うと、バンザーイ、と言うものだから、バ、バンザーイ?と一緒に手を挙げたら、着ていたシャツを脱がされた。

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