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ズルイヒト《寿嶺二》

第8章 ズルイヒト⑤-3





「れ、嶺二く...」
「風邪、移っちゃったら、ごめんね」




そう言ってまたキスされる。



移っても良いよ。



そんな言葉は飲み込んだまま、何度も塞がれる熱を感じていた。







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「ごめんね、送りもしないで」
「ううん、ゆっくり休んでね」



玄関先まで見送りに来てくれた嶺二くん。
本当は外までと言ってくれたが、丁重にお断りした。
たまには風邪引くのも悪くないかなぁ、なんて言うものだから、もう!と怒った所で笑顔の嶺二くん。そのまま軽くちゅってされて、また顔が赤くなる。また笑われた。お大事に、と手を振って離れる。愛梨ちゃん、と声をかけられた。






「おけおめ!今年もよろしくね」
「あ.....あけましておめでとう。こちらこそよろしくお願いします」





今までにない一年になりそうな予感を抱えながら、良い年になりますようにと願いを込めて、お正月の夜空を歩く。







後日、まだまだ本調子じゃない嶺二くんと、ケロッとしている私。
レイジ、歳なんじゃない?と美風くんの言葉に、同い年ー!とツッコミが入るが、それはまた、別のお話。












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