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ズルイヒト《寿嶺二》

第1章 ズルイヒト①




『アイアーイ!ちょっーち、お願いがあるんだ』
『なに?レイジのお願いに、碌なものは無いんだけど、一応聞いてあげる』


たまに会話していたのは知っているが、とても仲の良さそうな2人に驚いた。と言うか何故美風くん??


『アイアイなら、彼女のデータ、引っ張ってこれるんじゃないかと思って』
『彼女?...あぁ、水野さん。どうしたの?』
『え、あ、あの...』


と、これまた寿くんに説明したのと同じことを伝えると、ふ~ん...と言って、彼はPCを操作し始めた。


『・・・あ、あの、私、探しに行かないと』
『...はい、ここにバックアップある?』
『え!....こ、これ、教授のPCからじゃないと、アクセス出来ないんじゃ...?』
『僕、ちょっと特殊なんだ。大丈夫だよ。違法とかじゃないから』
『う、うん。あ、あの、途中までのなら、多分...』


分かった。と言うと、また操作をして、持っていたメモリーにコピーをしてくれた。



『はい、後は頑張ってね』



と、渡されたUSBと目の前のPC画面。
あ、ありがとう、美風くん、と、深く考えるのは後にして、とにかく仕上げないと!と目の前に集中する。
頭には入っているから書き起すだけだが、時間はあまり残されていない。
せっかくの好意を無駄にするまいと、一心不乱にキーボードを叩く。


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