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ズルイヒト《寿嶺二》

第4章 ズルイヒト③




「おっまたせ~!...って、何なに?2人で楽しそうに話ちゃって」


嶺ちゃんも仲間にいーれて!と、ご機嫌な様子で戻ってくることぶ...れ、嶺二くん。別に。なんでもないよ。えー!怪しいなぁ?レイジしつこい。と、本当に仲良さそう。そんなやりとりが少し羨ましい。




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男の子同士の特権なのだろうか。



関係性が築かれているからこその憎まれ口も、なんだか微笑ましい。
羨ましいなぁ...とボヤけば、何が?と独り言を、隣の運転席にいる、嶺二くんに拾われる。



「あ、いや、その、み、美風くんと、仲良いなぁ...って」
「僕とアイアイ?そう見えてるなら嬉しいなぁ」
「う、うん、凄く仲良しに見えるよ」
「ほんと~?でも愛梨ちゃんだって、アイアイと仲良しだよね」
「え!そ、そうかな...」
「うん。アイアイが自分から女の子に話しかけること、滅多にないよ~」



僕ちんジェラシ~。そう、口を尖らせている嶺二くんが、ちょっと可愛いと思いながら、助手席にいる緊張をどうやって紛らわせようか考える。



「そ、そうだったら嬉しいな...」
「うんうん。愛梨ちゃんも、あんまり他の人と話さないよね」
「そ、そうかも...?」
「用事がある時は話しかけてるの見るけどね。アイアイと、ちょっち似てるよね」
「わ、私が?美風くんと??」
「うん、研究熱心なところとか」


ふふっと、笑う嶺二くんは、なんだか嬉しそうだ。


「アイアイは美人さんだけど、愛梨ちゃんは可愛いよねぇ」
「か、かわっ!?」
「後、分かりやす~い」


その辺は全然違う魅力だよねぇ。とニコニコしてる。彼が運転中で良かった。真っ赤な顔を見られずに済んで。あんまり意味が無いような気もするが。


「み、美風くんや、嶺二くんが、探偵さんなだけだと思うよ?」
「あはは!探偵かぁ!」
「うん...名コンビで、相談事とかも沢山解決しちゃいそう」
「アイアイだったら『“迷”コンビになりそう』とか言いそう~」
「い、言うかも....?」


あはは!と嶺二くんの笑い声が響く、つられて私も笑ってしまう。
嶺二くんの対応は、とても勉強になる。
空気作りがとても上手で学ばせて貰いたいところだ。
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