第1章 EMPIRE STORY
歌が終わっても、4人は彼女を見つめていた。
「....あの、出しゃばった真似をして、申し訳ありません。お止めした方が良いと、伺ったものですから....」
「....っ!いや!凄い、凄いよお姫ちゃん!あの二人がこんなに大人しくなるなんて!」
「いつも、窓の一つや二つは壊れちゃうから、快挙で良いんじゃない?」
「そ、そうなのですか」
「...ふん」
「そんな日常茶飯ではありませんよ」
「いやいや、顔合わせる度に喧嘩してるんだから、もうお家芸みたいなもんだよねぇ」
「お黙りくださいポンコツ王子」
「僕ちん泣いちゃう!」
「つーか、今のはなんだよ」
あ、そうだよね、お姫ちゃ...とレイジが話しかけたところで、の姿が無いことに気がつく。ふと見ればジリジリと、壁際までアイににじり寄られているの姿。
「ねぇ、さっきの光はなに?歌うのが条件?力を使ってない僕達も反応してたけどどうゆう原理?他にどんなことが出来るの?」
「あ、あの、その、えっと...」
慌てたは、壁から離れようとするが、顔の横に手が伸びてきて、逃げ場が無い。ベールに手をかけられ、ビクッとする。
「もっとキミのこと、教えて?」
「っ!?」
すっと、ベールが外される。
そこには、真っ赤になった姫の顔。
「おやまぁ、アイアイったら」
「一番、抜け駆けとは無縁のはずですが」
「無自覚って怖ぇな」
綺麗とも可愛いとも取れる整ったの顔立ちもだが、その瞳に釘付けになる。
その色は赤と水色が混ざった宝石のようにキラキラ輝いていた。その輝きをもっと見る為、アイは顔を近づける。ひゃっ、との口から小さく悲鳴が上がる。
「....すごくキレイ」
「あ、あああ、あの...!」
「もっと見ていい?」
「は、はぁ...」
覗き込めば、更にキラキラが深くなるが、次第に色が薄れていく。