第1章 EMPIRE STORY
にっこり笑う嶺二。
優雅な仕草のカミュ。
ぶっきらぼうな蘭丸。
それを見て頷く藍。
背筋を伸ばし、凛と立つ。
「....今は、ただのでございます。皆様から聞かせて頂いた名は、生涯を誓う時に、その一部を受け取り、名乗る、と伺っております。どうか、皆様の名を耳にしておきながら、ただので要ることをお許しください。」
「へぇ、良く知ってるね。王族しか知らない話なのに」
「どこぞのわた毛とは違いますね」
「あ?やんのか」
「別に貴方だとは言ってませんよ?それとも、やはり頭の軽さに覚えがあるのでしょうか」
「おい、、人をおちょくるしか脳がねぇこいつに、優しさなんかあるのかよ」
「そ、そうだと思いますが...」
「もー!2人とも!いくらちゃんの歌声が素敵だったからって、またお家芸しないでよ!」
「「黙れポンコツ王子」」
デジャヴ!と叫ぶレイジ。やれやれのアイ。
ふふっ、と笑うに、皆の視線は一斉にそちらに向く。
「あ!ちゃん笑ってる!」
「良かったね、2人のコントが面白かったみたいで」
「誰が芸人だ」
「コンビ認定は余りにも不本意ですが、姫の笑顔に免じて今回だけ許しましょう」
4人は目の前に並んで、跪く。
「姫、私達がこの国で、貴方と婚姻を結ぶと決められた、プリンス達でございます」
「皆を幸せにするのはもちろんだけど、君も一緒に幸せにならなきゃ意味がないよね」
「しょうがねぇ。やると決めたからには中途半端はゴメンだ。全力で守ってやる」
「うんうん!遅くなっちゃったけど、言わせてね」
の手を取って、手の甲に口付けるレイジ。
「僕らの国に来てくれてありがとう。僕らは王子としても、1人の男としても、君を大切にするよ。...と言っても、君は1人しかいないから、もしかしたら取り合いになっちゃうかもだけど」
ふふっと笑って手を握るレイジ。
「我らQUARTET EMPIREの名の元」
「この国を守るプリンスであると同時に」
「お前を守るナイトとして」
「君を幸せにすると誓う」
「「「「、誰を選ぶ?」」」」