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隣のトキヤくん

第2章 隣のトキヤくん②


「「ご馳走様でした」」


手を合わせ終わり、食器を片付け始める。美味しかったー!と洗い物を流しに置きに行き、水に漬けてから帰り際にケトルのスイッチをいれる。
冷蔵庫からお茶を取り出し、お気に入りのコップに氷を入れて、拭いてくれた机の上に置く。


お茶を注ぐと氷がカラカラと鳴る瞬間は夏が来たー!と感じるから割と気に入っている。一方、氷を入れない向かいのコップにもお茶を注ぐと、どうもといつもの返事が返ってくる。いえいえ~とおちゃらける私の前に、見覚えのあるノートと今日の授業の教科書が置かれる。


「復習ですかい?真面目くーん」
「ええ、昼間は誰かさんのお陰で、集中出来なかったもので」
「落書きしてる人に言われたくないですね」
「彼は落書きではありません」
「・・・オスなの?」
「ほら、ノートを出しなさい。どうせ最初の方は書いてないでしょう?」


運が良いと、食後は私がやりたいゲームに付き合ってくれたり、お喋りタイムになるのだか、今日はお勉強デーのようだ。しぶしぶ鞄からノートと筆記用具を取り出す。でも、これは彼なりの私への配慮だ。


入学当初、レポート作成に頭を抱えていた私に、彼を巻き込んで朝まで起きていたことがある。何故か女子より女子らしい一面のある彼は、睡眠不足は天敵だと、私が普段から出来るように、こうして勉強タイムを作ってくれている。

ほったらかしてくれたって良いのに、なんだかんだと優しい幼馴染に甘えてしまっている私もどうかなぁとは思いつつ、カリカリとペンが動く。
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