第12章 隣のトキヤくん⑫
河原でBBQ。それは夏の風物詩。
さてさて、魅惑の2日目は、お昼前に動き出してみんなで河原へやって来た。昼前に起きて、廊下をみたら缶コーヒーが消えていて、変わりに冷蔵庫の中に、私の名前が書いてあるペットボトルが入っていた。
思わずにやっとして、中身をひとくち飲む。なんてことないただの水だが、お昼前の暑さには調度良く、いつもより美味しく感じられた。
ミーティングで、役割分担やスケジュールを確認して、みんなで濡れても良い服に着替えて、いざ鎌倉ならぬ、いざ河原。
夏の日差しに、セミの鳴き声。
浅瀬で足だけ冷やす人もいれば、深い所で泳ぐ人達もいる中、パラソルの下で長袖フードを被り、日焼け対策の為にサングラスまで付けている姿を、部長に弄られてる人もいる。
かく言う私は、日焼け止めと、あそこで弄られる人が口うるさいので、パーカーを着て、水の掛け合いを副部長達としている。
「うわぁー!?誰だよ水鉄砲なんか持ってきたやつ!!」
「ちょ、そんなもん、1人しかおらんやろー!犯人はアンタやー!」
「ほらトッキー、呼ばれてるよ!」
「私の訳無いでしょう」
あれよあれよと巻き込まれて、ずぶ濡れになった幼なじみは、容赦なく水鉄砲を借りて反撃をしている。やられたらやり返すの負けず嫌いだから、なんだかんだで楽しめているようで何よりだ。
そうしたら、思いっきり水がかかった。
他の人に紛れて、水をかけていたのがバレたらしい。分からないと思ってましたか?みたいな顔されて、私も水鉄砲を借りて、プチ戦争に参戦させて頂く。
いつの間にか、部長チームと、元部長チームでお昼のデザートをかけたバトルになっていたので、私は元部長チームに加勢して、やつのデザート奪ってやろうと思う。
私も、負けず嫌いなんだ。