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隣のトキヤくん

第8章 隣のトキヤくん⑧





「「ここをキャンプ地とする!」」




部長と元部長コンビの声が響く中、はいはい、女の子はこっち来てね~、と副部長さんの指示が飛んでくる。ここは天文学サークルではなく、漫才サークルか?と思うぐらいだ。


最寄り駅も、だいぶ自然溢れる場所だったが、さらに車で走らせると、本当に山奥にきたなぁと思う。蝉の大合唱や、日差しの強さ、風の涼しさに、ワクワクと、非日常を感じて気持ち良い。

テントもあるが、基本はコテージで過ごすらしい。男女に別れて部屋が別に用意されている。今回は男子6名、女子5名での合宿だ。

部屋割りは決められていた通り、私は副部長と、同学年の女の子との3人部屋。面白いのが、部長と自称お兄ちゃんとの3人部屋になった彼のこと。

よろしゅー!とバシバシ肩を叩かれながら、久しぶりだから、朝まで喋っちゃおー!!と絡まれている彼をみるとゲンナリと言った顔をしてる...気がする。ドンマイ、君はそういう星の元に産まれたんだよ。と心の中でエールを送っておく。





荷物を部屋に置いて、昼食にはちょっと遅くて、夕飯にはちょっと早い、食事の準備をする。

夏と言えばこれでしょう!と、それはそれは匂いがそそる内容に、お代わりが3杯目にさしかかろうとしていた。


「にーちゃん、よく食べるねぇ」
「いやー、美味しくて...」
「流石に食べ過ぎです」
「若いっていいねぇ。でもほんとーに美味しいからいっぱい食べちゃうよね!」
「先輩はもう年やさかい...」
「こらこら!いっこしか変わらないでしょ!」
「え、桁がですか?」
「流石の僕チンも怒るよ???」



これまた賑やかな食事を終えて、スケジュールを確認する。なんせ、星を見るのは、暗くなってからなので、結構変則的なスケジュールだ。
どこか出かけるような所も無いので、皆でレクリエーションをしたり、簡易プラネタリウムを見たり、仮眠の時間が確保されてたりと、結構思い思いに過ごす感じだ。
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