第6章 隣のトキヤくん⑥
「よっしゃ!ほな後は迎えの車がきたら、皆で出発や!忘れ物あらへんか?あるなら途中のコンビニで調達するか、誰かに借りたってな。持ちつ持たれつ!協力し合って楽しい時間にしようや!」
あ、トイレは今のうちに行くんやで!
はーい!
と、オカン先輩...もとい、部長...と、皆さんが気持ち良い返事と会話をしている。忘れ物無かったかな、と考えて、隣の幼馴染に話しかけようとした所で「にーちゃん!」と声が飛んできた。
私の事だったよな?と顔を向けると、夏の日差しが良く似合う、オカン先輩が手招きしていた。何名かが集まっている。
これは挨拶しなければと、そちらへ向かう。隣の幼馴染も別の男子に声を掛けられていたので、また後にしよう。
「いや~、来てくれて感謝やで!んで、泊まりともなると、男女でワケなあかんとこはしっかりしときたいで、なんか困ったことあったら、副部長に聞いてや!」
と、隣で手をヒラヒラ振ってくれている、しっかり者の雰囲気を醸し出したお姉様がいらっしゃる。赤味のあるメッシュが入った後ろ髪をひとつに結び、おぉ、かっちょええ!と感動した記憶がある。こっそり姉御と呼ばせて頂いている。
そのお隣には笑顔の可愛い、多分同学年であろう女の子が居る。黄色のフルーツ柄がとても良く似合う。この子には会った記憶が無いなと思っていると、初めまして、と挨拶を返してくれる。良かった、記憶違いでは無かった。
「この3人で部屋が一緒なんや!また詳しく話すけど、仲良ぉしたってな!副部長よろしゅう!」
「はいはい。2人ともよろしくね~」
「「よろしくお願いします」」
と、また他のメンバーの所に駆け寄っていくオカン先輩。いや、部長。うーん、慣れない。