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隣のトキヤくん

第6章 隣のトキヤくん⑥





ミーン!!ミーン!!



夏の日差しが照りつける中、蝉の朝は早い。
ついでに幼馴染の朝も早いが、今日は私も早起きだ。待ちに待ったサークル行事、まだ正式に加入した訳では無いのだが、素敵な催しに誘ってくれたオカン先輩に感謝しつつ、待ち合わせの駅に着く。
ここで合ってるはずなんだけど...と改札を出てそれらしい姿の人達を探すと、居た。確か、以前のサークル体験の時に見た顔ぶれだと、駆けていく。



「おはようございます!」


お、おはよう~。今日はよろしく~!等々、皆さん様々に挨拶を返してくれる。お、来よったか!よろしゅうな!とそこにはオカン先輩もいて、よろしくお願いしまっす!と返すと、ええ元気やなぁと頭をバシバシ叩かれる。痛くは無いが、高身長の男の人に上から叩かれるのは衝撃が強い。
こらこら、後輩ちゃん埋まっちゃうよ、と周りの先輩が庇ってくれるが、そこまで力強ないわ!と反論しつつもまだ叩いてくる。いえ、先輩、埋まりませんけど、縮みます。とお伝えすると笑いが起きる。

前も思ったけど、このサークルは雰囲気が良い。仲良し感はあるんだけど、馴れ合い、と言うか、身内ノリを余り感じさせない。と言うのか、むしろみんな身内!と言うのか、中々暖かいサークルだ。


「ところで、今日は一緒じゃないの?」
「そうそう、部長から数字コンビ来るって聞いて、楽しみにしてたんだよ」



聞きなれない単語が2つ。部長?数字コンビ?はて?と首を傾げていると「おはようございます」と聞き慣れた声が耳に届く。噂をすれば、と周りの先輩達がおはよう、と返事をしている。
あぁ、なるほど、と振り向くと、いつもより荷物が多いであろう幼馴染が、向かっていたところである。


「おはよう片割れ」


片割れ...?と首を傾げそうになるも、おはようございますと返ってくる。貴女にしては早いですね、とでも言いたげな目をしているが、楽しみがある日の早起きはいくらでもできる!威張るんじゃありません。とコントをしようもんなら、それこそコンビ認定されてしまうので、あははと笑っておく。
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