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隣のトキヤくん

第4章 隣のトキヤくん④


「せや!略して【スタサマ】夏休みの一大イベント!天文学サークルなんて大層な名前付いてるけど、まぁ皆で楽しく山に登って星を観ようやって話やな!なんと2泊3日の夏合宿!正式にサークル入って貰えるかを、この合宿で決めて貰うんや!皆で食べる飯と山の空気はムッチャ美味いで!
何より晴れた日の星は心洗われる綺麗さや!
金の心配は要らんでぇ!テントやら望遠鏡やらはうちにあるし、食費はサークル持ち!」


あ、電車賃だけ勘弁な!と片手をごめんなさいして話す先輩の目は、それはもう楽しそうで。
確か活動も週に1回あるか無いかが基本で、晴れてる日は学校の屋上に登って、夜まで星を観られるんだとか。我がサークルの特権や!と中々魅力的なお誘いだったのを覚えている。
星は好きだ。夜空をみると落ち着くと言うか、無心になれる。

多分、それは隣の彼からの影響もあって。


「...お返事はすぐですか?」
「お!かまへんで!テスト期間やし、後、買い出しあるで、それまでやったら!」



分かりました、と先輩と連絡先のやり取りをして、ついでに私も、と先輩の名前がピロンと表示される。
オレンジと青の綺麗な色彩のアイコンだ。見かけによらず、繊細な物が好みなのかな?と考えていたら、隣の幼馴染に今失礼なこと考えていたでしょう、と小突かれた。
しまった声に出ていたか、と慌てて先輩を見るが全く気にした様子もなく携帯を弄っている。鼻歌混じりで。


「そしたら返事待っとるでな!スマンな忙しい時に!」
「えぇ....いえ、わざわざすいません」
「...今『えぇ、ほんとに』って言いそうだったでしょ」
「気のせいです」

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