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隣のトキヤくん

第4章 隣のトキヤくん④


「えーっと、先輩は、テスト勉強、大丈夫ですか?」
「ワイは午前でぜーんぶ終わりや。受けとる授業は少ないでなぁ」
「あー羨ましい!私は後2つ残ってるんですよ」
「どれどれ?後何が残っとるんや?」
「うーんと....」


言われるがまま、これとこれと...と伝えていくと、これやったら、ここ抑えたらいけるで!あー、あのハゲちゃん先生のやつやなぁ。そしたらこっちの...と、中々丁寧に教えてくれる。
私の幼馴染も教えるのは下手でないが、先輩も中々お上手だ。おぉ、これが先輩のありがたみか、とうんうん頷きながら、先輩のノリが楽しくなってきてしまった頃、誰かが教室に入ってくる気配がする。


「おー!お帰りやでイチちゃん!」
「あ、お帰り!遅かったねー」
「ん?にーちゃんそこ範囲とちゃうで?」
「え!ほんまですか!?」
「ちゃうちゃう。そこはイントネーションがちゃうで」
「...ほんまでっか?」


それやと大御所さんになるなぁ!ワハハ!とおっきいお口を開けて笑う姿は気持ちが良い。つられて笑っていると、お待ちかねの彼は、なんだこれは、とでも言いたげな顔で先輩にペコッと頭を下げる。


「すいません、自己採点をしていたら時間がかかってしまいまして。お待たせしました」
「かまへんかまへん!こっちも有意義な時間過ごせたってもんやで!なぁ!にーちゃん!」
「あ、はい!教えて頂いてありがとうございました!」
「にーちゃん...?」
「せやで、自分はイチちゃんやで!」
「さっき決まったみたいだよ」
「イチちゃん...」
「2人とも、よォ一緒におるさかい、ペアで可愛いあだ名付けたりたくてなぁ!我ながらナイスネーミングや」
「...はぁ、それで、本題は?」


お、せやせや、と忘れていたかのような素振りに、何をしに来たんだと言いたげな幼馴染の、中々見れない顔を見るのは面白い。
ニヤニヤしていると、チラと鋭い目付きがこちらを向く。仕方ないよ。先輩に目をつけられたが運の尽きだ。諦めよう。と頷くと通じているのかいないのか、ため息とも言えない様子の彼は先輩の話を待っている。
お、これやこれ!お誘いやで!と先輩が取り出したのは1枚のチラシ?星空いっぱいの綺麗な世界に、文字が書かれている。


「「 STAR SUMMER VACATION..?」」

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