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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第29章 「善意の逆理 Ⅱ**」


唇を離すと、は不満げに目を細めた。
わかりやすく、むぅっと頬を膨らませている。
肝心なことをはぐらかされたのが、気に入らないらしい。


……そんな顔しないでよ。
ちゃんと言うつもりはあるんだから。


だから今は代わりに、少しだけ深く唇を塞いでやる。



「んっ……」



の気がキスに逸れた、その隙を突いて。
僕は彼女がぐるぐると身体に巻きつけているシーツの端を掴んだ。
そのまま、引き剥がそうとすると。



「あっ、ちょ、先生っ!」



が慌ててシーツを押さえ込んだ。
取られまいと、必死に抵抗してくる。



「だめですっ。ここ、医務室ですよ……っ!?」



真っ赤な顔で、僕をキッと睨みつけてきた。


(……いまさら?)


さっきまで、思いきりしてたけど。
それに、この前は執務室でシたでしょ。

そんな言葉が口から出かかったけれど、なんとか飲み込む。


僕は、シーツを握りしめる彼女の手に自分の手を重ねた。



「大丈夫、誰も来ないよ。硝子も僕に一任してくれたし」

「……そう、なんですか?」

「ほんとほんと」



疑うような上目遣いを、最高の笑顔で受け止める。
そして指を滑らせて、彼女の細い手首を掴んだ。



「それに。もう少し治療続けなきゃ」

「……ちりょう……?」

「そ。中和が足りないと、またの魔導が暴走しちゃうかもしれないからね」



息を吐くように、もっともらしい理由を並べる。

完全な嘘ではない。
実際、まだ魔導の揺れは残っている。

ただ、それを口実にしている自覚もあった。
我慢できない自分の欲を、治療という言葉で包み直している。


僕の言葉に、は握りしめていたシーツからふっと力を抜いた。
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