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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第27章 「花の匂いは誰のもの**」


すると、頭の上で先生が小さく息を吐いた。



「……んー」



抱き寄せるでも、突き放すでもない曖昧な声。
やっぱり迷惑だったかなと思って、身体を離そうとした、その瞬間――


ふわりと、身体が宙に浮く。



「わっ……!」



視界がぐるりと回って、私は先生の膝の上に向かい合う形で座らされていた。



「……先生っ? なんで急に膝の上……っ」

「だって、僕がの顔見たいんだもん」

「……え?」

「さっきみたいに肩にくっつかれてたら、僕からの顔、全然見えないじゃん」

「だ、だからって……っ」



慌てて降りようと先生の肩に手をつく。
けれど、背中に回された腕にぎゅっと引き寄せられて、そのまま抱き込まれてしまった。


先生に触れたいとは思ってはいたけど。


(……っ、近い。近すぎる)


体温が一気に上がっていくのが、自分でもわかった。
どこを見ればいいのかわからなくて、視線を泳がせていると。
ふいに先生の顔が近づいてきた。
吐息がかかるくらい、近い距離。


(キス、される……っ)


どくどくとうるさいくらい心臓が鳴る。
思わずぎゅっと目を閉じた。











唇にもちっとした柔らかいものが押し当てられた。



「……ん?」



目を開けると、先生が薄紅色の八ツ橋を私の口元に当てたまま、くすくす笑っていた。



「はい、あーん」

「えっ、あ……むっ」



驚いて口を開けた隙に、そのまま八ツ橋がぽいっと放り込まれる。
もっちりとした皮の食感と一緒に、いちごとあんこの上品な甘さが口いっぱいに広がった。



「いちご味も美味しいでしょ」



先生は、もぐもぐと咀嚼する私を見て満足そうに笑った。


(……甘い)


なんだか、すごく調子を狂わされる。
でも、そのおかげで張りつめていた肩の力が、ふっと抜けていくのがわかった。


私がごくんと八ツ橋を飲み込むと、先生は目隠しを外した。



「ほら、僕に話してみな」



まっすぐ向けられるその視線が、ひどく優しい。
こんな風に見つめられたら、隠し事なんてできるはずがない。


(……先生には、敵わないや)


私は胸の奥に沈めていた言葉を、そっと押し出した。



「……今日、実は――――」
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