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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第27章 「花の匂いは誰のもの**」


「……だから言ったじゃない。あんなの、聞くだけ損よ」

「え……」



虎杖くんも、すぐに言葉を重ねた。



「そうそう! あいつ、俺にもよくああいうこと言ってくるし。気にすんなよ、」



二人の言葉に、少しだけ気持ちが軽くなる。
けれど、まだうまく返事はできない。



「先生もいないし、今日は授業サボりましょ」

「お、いいな!」



虎杖くんが目がきらっと輝く。



「映画とか見る? みんなでミミズ人間4見に行くのはどう?!」

「なんでそこでミミズ男なのよ。もっとこう、買い物とか甘いもん食べに行くとかあるでしょ」

「いや、ミミズ人間なんだけど……」

「どっちでもいいわ」

「も、ミミズ人間見たいよな?」



そう言って、虎杖くんがこっちを振り返ってにかっと笑った。



「見たくないわよ、そんなもん!」



野薔薇ちゃんがすかさず突っ込んで、二人のいつもの言い合いが始まる。


(……二人とも)


その時、不意に肩をぽんと叩かれた。
顔を上げると、伏黒くんが申し訳なさそうに眉を寄せていた。



「……気にすんな。さっき俺が言ったことも、別に確証があるわけじゃない……怖がらせたなら、悪い」



その不器用な言い方が、伏黒くんらしい。
三人とも、私の不安を拭うように気遣ってくれている。
これ以上、みんなに心配はかけられない。



「みんなの言う通り、宿儺に聞くべきじゃなかったね。私は大丈夫だから」



そう笑って返すと、伏黒くんは「……何かあれば言えよ」と少しぶっきらぼうに言った。


大丈夫。
私は、私だもん。
悠蓮が何者だったとしても。
その力をどうするかは、私が決めればいいって――先生も、そう言ってくれた。


だから。
ちゃんと、いつも通りにしなきゃ。



「ミミズ人間、4から見てもついていける?」



虎杖くんが「いけるいける!」と勢いよく食いついて。
そこからゲーセン、カラオケと話が転がって、さっきまで教室を覆っていた重い空気が徐々にほどけていった。


私もつられるように笑って、みんなの他愛ないやり取りに耳を傾ける。


でも――後ろで隠すように握った手だけは、震えが止まらなかった。
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