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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第27章 「花の匂いは誰のもの**」


「うん。虎杖くん、覚えてる? ほら、あの廃村で虎杖くんが怪我した時、宿儺が出てきたじゃない」

「ああ。……それがどうかしたのか?」



虎杖くんが、不思議そうに首を傾げた。



「あの時、宿儺が私のことを見て言ったの。『花の匂いのする女』って。……だから、本当に匂うのかなって気になっちゃって」



それを聞いて、虎杖くんがハッとしたように顔を上げる。



「あー、あんときか! そういやアイツ、のことジロジロ見ながらそんなこと言ってたな」

「自分で嗅いでもわからなかったから、伏黒くんに頼んだの。首が一番わかりやすいかなって」



騒がしかった教室が、しんと静かになった。
……よかった。
ひとまず、事情は伝わったみたい。


すると、野薔薇ちゃんが呆れたようにため息をついて、虎杖くんがぽりぽりと頭を掻いた。



「……そういう無防備なとこ、マジで直した方がいいぞ。五条先生いなくてよかったな」

「そうよ。伏黒じゃなかったら、今頃あんた食べられてるわよ。バカ」

「え……」



なんでみんな、先生を気にするの?
匂いを嗅ぐって、そんなにまずいことだったのかな。
呪術的に大きな意味を持つとか……?




「で。結局どうだったのよ、伏黒」



野薔薇ちゃんに話を振られて、伏黒くんがまだ少し耳の先が赤いまま、顔を背けて吐き捨てるように言う。



「……石鹸の匂い」

「しっかり嗅いでんじゃないわよ。引くわっ!」

「なんなんだよ、お前はっ!」



顔を赤くして大声で叫ぶ伏黒くんを横目に、私は頭の中を整理した。


私から花の匂いはしない。
物理的な匂いじゃないってことだよね。
じゃあ――



「あれ、じゃあさ」



虎杖くんが腕を組んで、天井を見上げる。



「宿儺が『花の匂いがする』なんて言ったの、なんでなんだ?」

「ただの気まぐれなんじゃないの? 適当なこと言って、をからかって遊んでただけでしょ」



野薔薇ちゃんの言う通り、ただの気まぐれなのかもしれない。
私の気にしすぎなんだろうか。


でも。
胸の奥の違和感は、どうしても消えてくれなくて。
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