• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第26章 「愛ほど歪んだ呪いはない」


『なにそれ。可愛すぎるんだけど』

『反則。マジで反則。そんなこと言われたら、今すぐ京都から飛んで帰りたくなるでしょ』



電話越しでもはっきりとわかるくらい、先生の声は甘く、だらしなく溶けきっていた。



「だ、だって、先生が言えって……」

『言えって言ったけどさぁ。今の録音しとけばよかった』

『今からボイスレコーダー回すから、もう一回言って』

『最初の「一緒にいるだけで〜」から。一語一句、同じニュアンスでお願い』

「いやですよっ! なんで録音するんですか! 恥ずかしすぎるんですけど……っ」

『えー、だってこんなの永久保存版じゃん。上の連中に嫌がらせされた時に聞いて、癒される用』

「こういうのは、何回も言うもんじゃないです!」

『ケチー。減るもんじゃないのにー』



電話の向こうで、先生が口を尖らせているのがわかる。


もしそれ、誰かに聞かれたらどうするつもりなんだろう。
恥ずかしくて生きていけないよっ!


ベッドの上で足をバタバタさせていると。



『……』



不意に、名前を呼ばれた。
さっきの拗ねた声から一転して、熱を帯びた、ひどく優しい響き。



「はい……」

『早く会いたい。ぎゅってしたい』



ストレートな言葉に、さっきまで以上に顔が熱くなる。



「私も会いたいです」



クッションに顔を埋めながら、小さく、でもはっきりと答えた。



『ん。明日には帰るからね。いい子で待ってて』



ふふっと満足そうな先生の笑い声が聞こえて。
私もつられて、自然と頬が緩んでいった。



「はい。気をつけて帰ってきてくださいね。おやすみなさい、先生」

『うん、おやすみ』



通話が切れた後も、私はしばらくスマホを両手で握りしめていた。
明日になれば、会える。 
その事実だけで、張りつめていたものが少しずつほどけていく気がした。
/ 800ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp