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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第26章 「愛ほど歪んだ呪いはない」


「誰かの痛みを、自分のことのように悲しめるところとか。その目の色とか。……すごく、よく似ている」

「さんと話していると、すごく懐かしい気持ちになるんだ……また、こうして話をしてくれると嬉しい」



けれどすぐに、須和さんははっとしたように視線を逸らした。



「……っと、ごめん。私は急に何言ってるんだろうね」

「変な意味とか、そういう下心があるわけじゃなくて。……ただ、その。いきなりこんなこと言ったら、怖がらせてしまうよね。忘れてくれ」



さっきまでの知的で落ち着いた大人の雰囲気は、どこにもなくて。
言い訳を探すように焦っている姿が、なんだかすごく「普通の人」みたいで――

思わず小さく吹き出してしまった。



「ふふっ」

「……さん?」

「あ、すみません。……でも、大丈夫です。わかってますから」



笑ってしまったのをごまかすために、私はそっと指先を唇に添えた。




「……私でよければ、また話してください」

「誰かに話すだけで、気持ちが落ち着くことって……ありますよね」



何かが変わるわけじゃなくても。
聞いてもらえるだけで、息がしやすくなることがあるから。
先生が、私にそうしてくれたみたいに。



「ありがとう、君は優しいね」



須和さんは安堵したように笑っていた。



気がつけば、高専の正門がすぐ目の前まで迫っていた。 
太陽はもうすっかり傾いて、空がオレンジ色に染まっている。



「それじゃあ、ここで。見送ってくれてありがとう、さん」



須和さんは立ち止まり、私に向かって軽く頭を下げた。



「いえ……今日は、ありがとうございました」



私も深くお辞儀をする。 
須和さんはそのまま背を向けて、門の外へと歩き出した。


夕日に染まる彼の背中が小さくなっていくのを見送りながら。
自分の右手をそっと開いて、見つめた。


『命の終わりに寄り添える』


この力が何なのか、まだ全部はわからない。
怖いと思う気持ちも、なくなったわけじゃない。
でも、先生もみんなも。
綺麗な力だって言ってくれた。


……だから、守りたい。
諏訪烈なんかに、好きにされるわけにはいかない。


そう心の中で言い聞かせて、私は右手をぎゅっと握りしめた。
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