• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第23章 「可惜夜に眠る 後編①」


誰かの死を呪いにしないこと。
残された人が、亡くなった人からもらった愛を抱きしめて生きていくこと。
それは、お母さんが教えてくれた花冠の意味。


私は先生の手の甲に、そっと自分の手を重ねた。
そのまま、確かめるみたいに指を絡める。



「ずっと、私のせいだって思ってたけど……」



喉の奥が震える。
それでも、もう一度息を吸った。



「でも……それだけを抱えて、生きていたくないです」



涙で滲む視界のまま、先生を見上げる。



「お父さんとお母さんがくれたもの、ちゃんと忘れないで……笑って、生きていきたい」



私が笑っていることが、二人への一番の恩返しになるなら。
この悲しみごと抱えて、前を向いて歩いていきたい。



「私……お父さんとお母さん、探したいです」



ずっと、怖くて逃げてきた。
あの日から、一度もあそこに近づかなかった 。
でも、このままじゃ二人をずっとあの冷たい海の底で、置いてきぼりにさせてるのと同じだから。



「……二人の帰りを、ちゃんと待ちたい」



私がここにいて、笑って、二人を想っていること。
それが、お父さんとお母さんの帰る場所になるなら。


目尻に残った涙を手の甲でそっと拭った。



「……でも、八年も放っておいたから。二人とも、すごく怒ってるかもだけど」



ずっと怖がって、逃げていた弱虫で。
自分勝手な娘。
きっと二人は、呆れて溜息をついているかも。


そう思うと、情けなさでまた少し泣きそうになって。
先生の胸元に額を押しつけた、その瞬間。


大きな両腕が、私の背中に深く回された。
隙間を埋めるみたいに、ぎゅっと強く抱きしめられる。



「仕方ない。僕も一緒に怒られてあげよう」

「の大事な家族は、僕にとっても大事だって言ったでしょ」



先生は私を安心させるように、背中をゆっくりと撫でてくれた。
/ 684ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp