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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第23章 「可惜夜に眠る 後編Ⅰ」


昨日の、廃村での出来事。
私の迷いのせいで、虎杖くんが傷ついた。


『君の呪いに、他人を巻き込むな』


先生の冷たい声が、まだ胸の中で刺さってる。
自分だけが無事でいるのが怖い。
二人が死んだ事実を認めるのが怖い。
そんな半端な覚悟のまま、力を使おうとしたから……私は、誰も守れなかった。


でも、今は。
みんなが私を信じて、命を預けてくれている。
なら、私が自分の『怖さ』を言い訳にして、この手を止める理由なんて、どこにもない。


顔を上げて真希さんを見返した。



「……はいっ! 私、もう逃げません」



大きく、はっきりと頷いた。



「上等だ」



真希さんが、ニヤリと笑って大刀を構え直した。







伏黒くんと虎杖くんが、弾かれたように階段を駆け上がっていく。
すぐに上の階から激しい破壊音と、呪霊たちの軋むような叫び声が響き始めた。


(……来る)


小太刀を握る手に、力がこもる。



「降りるぞ!!」



頭上から、虎杖くんの叫び声が降ってきた。
吹き抜けの階段から、二人が一気に1階のフロアへ飛び降りる。


その次の瞬間――


彼らを追って、上の階にいた呪霊の群れが、滝のように雪崩れ込んできた。
視界が、あっという間に蠢く白で埋め尽くされる。



「棘!」



パンダ先輩の合図。
狗巻先輩が、一番前に躍り出た。
大きく息を吸い込み、呪印の刻まれた口元を開く。



「――集まれ」



ビリッと空気が震えた。
強い言霊に縛られ、フロア中に散らばっていた無数の呪霊たちが、強制的に部屋の中央へと引き寄せられる。



「そして……一つに、成れっ!!」



叫ぶと同時。
狗巻先輩の口から、どばっと赤い血が吐き出された。



「ツナ……ッ、げほっ!」



膝から崩れ落ちそうになる先輩を、パンダ先輩が間一髪で抱え留める。


(狗巻先輩……!)


メキ、メキメキッ……!


部屋の中央で、信じられない光景が起きていた。
引き寄せられた無数の呪霊たちが、互いの体を喰らい合うようにして、ぐちゃぐちゃに混ざり合っていく。
腕が、足が、顔が。
ひとつの巨大な肉塊へと融合していった。
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