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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第23章 「可惜夜に眠る 後編Ⅰ」


「いや。……虎杖、あながち間違ってないぞ」



不意に、伏黒くんが静かな声で言った。
全員の視線が、一斉に彼に集まる。



「はあ!?」



野薔薇ちゃんが、信じられないという顔で声を上げた。



「あんたバカになったの!? そんな力、先生以外にどうやって出すのよ!」

「伏黒、お前……具合悪いのか?」



虎杖くんまで、本気で心配そうな顔をしている。


私も、思わず伏黒くんの横顔を見つめた。
でも、その暗い緑色の瞳は至って真剣で。
ふざけているようにも、自暴自棄になっているようにも見えない。
伏黒くんは、ゆっくりと私たちの方へ向き直った。



「五条先生が、この任務の前に言ってたこと……覚えてるか?」



任務の、前。
伏黒くんの言葉に、記憶が巻き戻る。











出発の準備を終えて、合宿所の玄関前に全員が集まっていた時のこと。


パンッ!と大きく乾いた手拍子が、朝の空気に響いた。



「さーて!」



先生が、いつものように飄々とした笑顔で私たちの前に立つ。



「合宿も今日で四日目ってことで! みんなにとっておきの最終課題を用意しましたー!」



両手を広げて、やたらと高いテンションで宣言した。
その無駄に元気な声に、野薔薇ちゃんや真希さんは露骨に嫌そうな顔をしていた。



「とっておきって……絶対また性格の悪い任務でしょ」

「あーあ、めんどくせぇ」



ブーブー文句を言うみんなをよそに、先生はにこにこと笑い続けている。
そして、人差し指を立てて、少しだけ楽しそうに口角を上げた。



「えー? 今回はすごくシンプルだよ。指定した廃ビルの中の呪霊を、ぜーんぶきれいにして帰ってくるだけ!」



私はみんなの少し後ろで、先生の言葉を黙って聞いていた。



「ただーし」



不意に、先生の声のトーンが変わる。
先生は目隠し越しに、ぐるりと私たち全員を見渡しながら、



「みんなで、必ず協力してね」



そう言って、どこか意味ありげに笑った。
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