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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第23章 「可惜夜に眠る 後編Ⅰ」


「で、4階は……虎杖、お前は一人でいいだろ」

「ええっ!? 俺だけ一人!?」



虎杖くんが大げさに声を上げる。
真希さんは「文句あんのか」と鋭く睨みつけた。



「い、いえ! 一人で余裕ッス!」



慌てて背筋を伸ばす虎杖くんに、野薔薇ちゃんが呆れたようにため息をついた。
いつもの、みんなのやり取り。
張り詰めていた空気が、少しだけ緩む。


(……よし)


私も、足を引っ張らないようにしなきゃ。



「それじゃ、さっさと終わらせるぞ!」



真希さんの号令に、みんなが一斉に頷いた。





私とパンダ先輩は、階段を上って3階のフロアへ足を踏み入れる。
窓ガラスの割れた廊下。
朝方の白い光が細く差し込んで、足元に長い影が伸びていた。
どこかで水滴が落ちる音が、聞こえてくる。



「、俺の後ろから離れるなよ」

「はいっ」



小太刀を握り直して、パンダ先輩の大きな背中を追う。
廊下の中ほどまで進んだ、その時――


ズルッと天井の隅から、白い塊が降ってきた。



「お、出たな」



パンダ先輩が素早く前に出て、拳を構える。
その呪霊は、マネキンと石膏像を継ぎ接ぎしたような、無機質で不気味な姿をしていた。
顔の半分はのっぺりとしていて、関節はありえない方向に曲がっている。



『ちょぉおおおおだぁぁぁぁい……!!』



軋むような音を立てて、呪霊が飛びかかってきた。



「おらっ!」



パンダ先輩の重い拳が、呪霊の顔面にクリーンヒットした。
ガシャンッ!という陶器が割れるような音を立てて、呪霊の体が壁に叩きつけられ、粉々に砕け散って床に転がった。



「よし。やっぱり大したことないじゃーん」



パンダ先輩が拳の埃を払う。
私もホッと息を吐いて、構えていた小太刀を下ろしかけた。


……けれど。


(え……?)
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