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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第23章 「可惜夜に眠る 後編Ⅰ」


「えっ、ちょ、ちょっと待って! どうしたの!?」



慌てたように、私の目の前にしゃがみ込む。



「大丈夫!? お腹痛い? それとも、迷子になっちゃった!?」


(迷子……)


高校生なのに、完全に子供扱いされている。
でも、今の私は、本当に迷子と同じだった。
どこに進めばいいのか。
帰る場所がどこなのかも、全部わからなくなってしまったから。



「ちが、う……です……っ」



なんとか答えようとしたけれど、ひっく、としゃくり上げてしまって声にならない。



「わわっ、ごめんね、泣かないで!」



女の人はパニックになったように声を上げて、自分のスウェットのポケットをごそごそと探し始めた。



「えっと、えっと……あ、これ! これあげるから!」



そう言って、私の目の前に差し出されたのは、一粒の飴玉だった。
透明なセロハンに包まれた、まあるい飴。
それを見た瞬間。


(……あ)


朝の光に透けたその飴は。
とても綺麗な、水色をしていた。
透明で、どこまでも透き通っていて。



「あ……う、ああっ……っ」



せき止めていたものが、完全に溢れ出した。



「えっ!? ごめん、飴、嫌いだった!?」

「ちが、ごめんなさ……っ、ちがうの……っ」



膝に顔を押し付けて、声を出して泣きじゃくった。
見ず知らずの人の前で、こんな風に泣き喚くなんて。
みっともない。
恥ずかしい。
頭ではわかっているのに、もう止められなかった。


この飴のように、あの綺麗な蒼を。
もう二度と、私に向けてもらえないかもしれない。
その事実がたまらなく怖くて、苦しくて。


女の人が差し出した青い飴玉を前にして、ただ小さい子供みたいに泣き続けた。
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