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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第22章 「可惜夜に眠る 中編**」


(……っ、どうして?)


焦りで心臓がうるさい。
迫り来る別の泥の腕を小太刀で斬り払い、もう一度念じる。


(もう一回……!)

 
もう一度、意識を寄せる。
手を握って、願って――


花弁が数枚、舞い上がる。
……けれど、またすぐに散ってしまう。



『ガ……ァ……ッ』



呪霊の横薙ぎの攻撃が迫る。
咄嗟に小太刀を盾にして防ぐが、身体ごと弾き飛ばされた。



「……っ!」

 

泥の中を転がって、背中に鈍い痛みが走った。
息が抜ける。
視界が揺れて、泥が口の端に入る。
それでも、這いつくばるようにして立ち上がった。


(お願い、花冠を作って……っ。お願い……!)


何度も、何度も手を握って意識する。


でも、だめだ。
送りたいのに。



「……なんで」



声が掠れて、自分でも情けない。


視界が滲んでくる。
涙が邪魔で、呪霊の輪郭が揺れる。


(泣いたって、どうしようもないのに……)


自分の弱さに?
虎杖くんを傷つけてしまったこと?
送れないことの悔しさ?
――それとも、送るのが怖いから?


答えが出る前に、涙が溢れていた。
泥だらけの頬を伝って落ちて、地面に吸い込まれる。


制服の胸元をぎゅっと掴んだ。



「悠蓮! 力を貸してっ……!」



この内側の、もっと深いところにいるはずの『彼女』へ。
すがりつくように、叫んだ。
それでも、力は応えてくれない。


泣き叫びながら、もう一度斬り込もうと泥を蹴った、その時。


ぬかるんだ泥に深く足を取られ、体勢が大きく崩れた。
倒れ込んだ私の頭上に、巨大な影が落ちる。
ひしゃげた鉄骨を巻き込んだ、肉の塊。
泥と粘液が、ぽたぽた落ちて。


呪霊が私を完全に押し潰そうとした、その瞬間――
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