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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第22章 「可惜夜に眠る 中編**」


***


「……あー、死ぬ。マジで死ぬ。これで2日目ってどういうことよ」



共用スペースのソファに、野薔薇ちゃんがぐったりと沈み込んでいた。



「真希さん、鬼でしょ。あんなの拷問よ、拷問」

「釘崎、声でけーよ……」



隣のシングルソファでは、伏黒くんがスポーツドリンクを片手に、げんなりした顔をしている。
彼も相当しごかれたらしく、いつものクールな立ち振る舞いに疲労が滲んでいた。


私もソファに座って、自販機で買った冷たいお茶を頬に当てていた。
ひんやりとした感触が、じんと熱を持った肌に染みていく。



「……はぁ」



小さく息が漏れる。
腕も、脚も、思うように動かない。


(明日、全身筋肉痛だ……)


想像しただけで嫌になる。
ソファの上で膝を抱え込んで、額を少しだけ寄せた。



『腹くくれ。……じゃねぇと、守りたいもんも守れねぇぞ』



真希さんの言葉が、一日中頭から離れなかった。


(……分かってる)


迷っている暇なんてない。
現に、先生を傷つけてしまっている。
けど――むしろ、変わらなきゃと焦れば焦るほど。
波に呑まれていった、あの日の記憶。
あの先生の顔。
交互に浮かんで、消えて。
また浮かんで。


(ちゃんと、前に――)


でも、その“前”がどこなのか分からない。


胸の奥が、ざわざわする。
体の疲れとは違う、落ち着かない感覚。


ぎゅっと目を閉じて、膝に顔を埋めた、その瞬間――



「お、! 隣、いいか?」



虎杖くんの声でハッと顔を上げた。



「あ、うん。どうぞ」



虎杖くんがドカッと隣に座った。



「いやー、今日もハードだったな! でも俺、なんか掴めてきた気がすんだよな」



虎杖くんが炭酸ジュースの蓋を開けると、シュッと軽い音が弾ける。



「……虎杖くん、体力ありすぎ」

「そっか? こそ、呪力強化なしであのメニューこなしてんの、すげーよ」



虎杖くんの褒め言葉も、今は少しだけ胸に刺さる。



「……そんなこと、ないよ」



少し遅れて、そう返した。


(……すごくなんか、ない)


ただ、考えたくないだけ。
逃げるみたいに、動いてるだけだ。


(だめだな、私……)


またため息が溢れそうになった、その時だった。
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