第22章 「可惜夜に眠る 中編**」
(……ええええ!?)
真希さんと打ち合い……!?
私なんかが、真希さんの相手になるのかな。
でも――
一人でいると、両親のことや、昨日の先生の言葉が頭から離れない。
ぐるぐると同じことばかり考えて、また暗い方へ落ちていきそう。
身体を動かして無心になれば……少しは紛れるかな。
「お、お手柔らかに……お願いします……」
手の中の竹刀を強く握りしめて、真希さんの後に続いた。
♢
「――そらッ!」
パァンッ!!
乾いた破裂音が、演習場に響き渡った。
「っぐ……!」
竹刀で受け止めた瞬間、
手首から肩にかけて、電流が走ったような衝撃が突き抜ける。
あまりの重さに、足が後ろへ滑った。
「どうした、腰が引けてんぞ!」
一歩踏み込まれるたびに、風を切る音が耳元で唸る。
上段、横薙ぎ、そして突き。
「はっ、……く……っ!」
息をするのも忘れて、必死に竹刀を動かした。
反撃なんてとても無理。
雨あられのように降ってくる連撃を、ただ防ぐだけで精一杯だった。
(……つよ、い……っ!)
「軽めに」と言っていたけど。
真希さんの剣筋は、目にも止まらぬ速さで、岩のように重い。
『呪具の扱いなら高専で一番の使い手』
伏黒くんが言っていた言葉が脳裏をよぎる。
(……呪力も使っていないのに、これなんて……)
ガツンッ!!
「ぼーっとしてんじゃねぇ!」
「あぐっ……!」
手元を強烈に弾かれ、竹刀を取り落としそうになる。
(……あっ)
その瞬間――
こつん。
真希さんが、竹刀の先で私の頭を小突いた。
「はい、私の勝ち」
そう言って、真希さんが得意げに口角を上げる。
「い、いたい……真希さん、今の頭のやつ、いりました?」
小突かれた頭をさすりながら、真希さんをじっと見上げた。
真希さんは悪びれる様子もなく竹刀を肩に担ぎ直す。