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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編**」


「あんた……馬鹿なの!?」

「えっ?」

「自分の腕、見てみなさいよ! 切れて血が出てるじゃない!」



野薔薇ちゃんの震える指先が、私の腕を指す。
見ると、ラッシュガードの袖が裂け、二の腕から肘にかけて赤い線が走り、血がじわりと滲んで砂を汚していた。
背中も、ジンジンと熱を持って痛む。
たぶん、ポールで強打したんだと思う。



「あ、これ……平気だよ。かすり傷だし」

「平気なわけないでしょ! 私が避けられなかったのが悪いのに、なんであんたが飛び込んでくんのよ!」

「だって、野薔薇ちゃんが怪我したら大変だし……それに」



私は、滲む血を手のひらで拭って、へへっと笑った。



「点数入ったし、結果オーライだよ」

「……ッ、あんたねぇ」



野薔薇ちゃんは何か言いかけて、悔しそうに唇を噛んだ。
その目には涙が滲んでいるように見えて、私は慌てて「ほんとに痛くないから!」と手を振った。


審判台から先生がひらりと飛び降りて、近づいてきた。
サングラスをずらして、私の裂けた袖から覗く傷口を覗き込んだ。



「……傷は深くないけど、手当てした方がいいね。それに背中、強打したでしょ」

「い、いえっ、全然! このぐらい、任務でもよくあるし……」



そう言って、立ちあがろうとすると――
先生の大きな手が、私の肩をガシリと掴んで止めた。



「ダメ」

「傷口に砂が入ってる。ちゃんと洗って消毒しないと」

「でも、あと一点で……」

「はここで抜け。手当てが先」



先生は私の腕を引くと、コートに残されたみんなに向かって手をひらつかせた。



「僕が向こうで手当するから、みんなは続けてていいよよ〜」



先生は、そう言って私の肩を抱き寄せた。



「ご、ごめんなさい……足手まといで……」

「気にすんな。……少し休んでろ」



伏黒くんがそう言いながら、冷たいペットボトルの水を渡してくれた。



「ほら、行くよ」

「は、はい……すみません……」



みんなが心配そうに見送る中、私は先生に身体を支えられながらコートを後にした。
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