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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編**」


「でも、私、水着なら……持ってるけど……」

 

私がそう言うと、野薔薇ちゃんの目が鋭く細まった。



「どうせ、中学のスクール水着でしょ?」

「っ……!」

 

図星だった。

 

「はあぁ……あんた、それ着てせいぜい喜ぶのは、あの目隠し教師くらいよ」

 

え!?先生は、スクール水着が好きなの?
でも、野薔薇ちゃんの言う通り、高校生になってスクール水着着るのは……
 


「……ちょっと、恥ずかしくなってきた」

「でしょ? いいからさっさと準備しなさい!」

 

そう言って、野薔薇ちゃんは私の部屋にズカズカと入ってきた。

 

「10分以内ねー!遅れたら罰としてランチ奢りなさい」

「えええええっ!?」



野薔薇ちゃんはベッドにどかっと座って、スマホをいじり始める。


私は観念して、部屋の洗面所で顔を洗う。
鏡の前で顔を上げると、目の縁が少し赤い。


4泊5日の夏合宿。
先生も……来るよね。
胸の中に残っているものが、まだ重いままなのに。
季節はいつも、止まった私の背中を押してくる。


ベッドから、野薔薇ちゃんが叫ぶ声が聞こえた。

 

「ー、もう5分経ったわよ!」

「え、なんか早くない? 今、準備してるからっ」

 

蛇口を閉めて、タオルで顔を拭う。
そして、もう一度だけ深呼吸をした。 



「……行かなきゃ」

 

――こうして、私の夏休みは。
まだ追いつけていない心ごと、動き出した。
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