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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編**」


「こら、じっとしてなさい〜」

「うん……でも、くすぐったい〜」

 

こうして髪を触ってもらうの、好き。
お母さんの手って、やっぱり、あったかいな……



「ねえ、おかあさん」

「ん?」

「おかあさんって、魔法つかえるの?」

「えっ、なにそれ?」

 

私は指を折って数える。

 

「だって……おかあさんが作るパンは、すっごくおいしいでしょ。髪の毛もあみあみできるでしょ……それに、冬でも手があったかいもん」

 

そう言うと、お母さんはちょっとだけびっくりした顔になって、それからケラケラ笑った。

 

「バレちゃったか。お母さんは、実は魔女なのでーす」

「そうなの!?」

 

びっくりして、くるっと振り返ってしまった。

 

「こらこら、動かないの。ぐちゃぐちゃになるよ〜」

 

お母さんが、私の顔を元の向きに戻す。

 

「じゃあ……魔法で、もっとパンいっぱい出せる?」

「それは無理でーす」

「えー!」

 

私がふくれると、お母さんが私の顔を覗き込んできた。

 

「でもね、が笑ってくれる魔法なら、いつでもかけられるよ」

「ほんと?」

 

そう言った瞬間。
お母さんの手が、すっと私のわき腹にのびた。



「こちょこちょ〜」

「きゃっ……! それ、魔法じゃなーい!」



笑いながら体をよじると、お母さんが「バレたか」と言って手を引っこめる。



「ふふ。でも、笑ったでしょ?」

「……そうだけど〜」



そうやっておしゃべりしているうちに、最後のひと編みが終わって、きゅっと髪が結ばれる。

 

「はい、できた」

 

そう言って、お母さんが手鏡を渡してくれた。
サイドから編み込まれた髪が、後ろでひとつにまとめられている。
鏡に映った自分は、いつもよりちょっと大人っぽく見えた。
 


「かわいい〜!」

「今日の主役なんだから、ばっちり決めなきゃね」 

「うん!」



そのとき――
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