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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第21章 「可惜夜に眠る 前編**」


***



「げほっ、げほっ! 何よここ、ホコリ凄すぎ!」

 

野薔薇ちゃんが天井を仰ぎながら顔をしかめる。

 
合宿所の中は、外見通りの惨状だった。
床はほこりで白くなっているし、天井には見事なクモの巣。
畳からは湿気とカビの匂いが漂ってくる。

 

「まずは換気だ、換気!」

「うわ、窓開かねぇ! サッシ錆びてる!」

 

虎杖くんが窓枠と格闘している横で、伏黒くんがホコリを見てため息をついた。

 

「これなら高専にいた方がマシな気が……帰りたい」

「奇遇だな、恵。私もだ」

 

真希さんもげんなりした顔で天井を見上げる。
 

そんな空気の中、先生だけが満面の笑みで人差し指を立てた。

 

「では、最初のミッション!」

「今日からお世話になるこのお宿を、ピッカピカに磨き上げよう!」

 

そう言った瞬間、全員の目が死んだ。

 

「は? 掃除?」

「そう!『場を清めることは、己を清めること』……なんてね」

 

野薔薇ちゃんが、持っていた浮き輪を床に叩きつけた。
 


「詐欺で訴えられても文句言えないレベルのボロ宿に連れてこられて! さらに掃除!? あんた何様よ!」

「僕? 超イケメン最強呪術師の五条悟先生だよ」

「っ、この目隠しぃぃぃっ!!」

 

掴みかかろうとする野薔薇ちゃんを、虎杖くんが慌てて止める。

 

「落ち着け釘崎! ホコリがさらに舞うぞ!」

「おかか……」

 

狗巻先輩も苦しげに口元を押さえる。



「ほらほら〜、早く掃除しないと夜になっちゃうよ」



先生はそう言って急かすが、誰も動こうとしなかった。
それは、当然だと思う。
みんな、“リゾート合宿”だと信じて、浮かれてここまで来たのだから。

 
(このままじゃ、暴動が起きそう……)


……そんな気配すら漂い始めていたそのとき。

 

伏黒くんが、玄関の柱に掛けられた色褪せた黒板に近づいた。
そして、そこに書かれた文字をじっと見つめ、ぽつりと呟いた。

 

「……五条先生」

「なーに、恵?」

 

先生がお気楽な声で応じる。
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