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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


きぃ、とタイヤが短く鳴って、車が路肩に寄せて止まった。
仕方なくから唇を離す。

 

「急にどうしたんだよ」

 

伊地知はハンドルを握ったまま、微動だにしない。



「……す、すみません五条さん。今、連絡が入りまして」

 

バックミラー越しに目が合いそうになって、伊地知が慌てて逸らした。
顔が完全に終わってる。

 

「……なに?」

 

伊地知は言いにくそうに口を開いた。

 

「至急、五条さんに向かって頂きたい任務が出来まして」

「は? 今日、夜からだったでしょ」

 

僕は苛立ちを隠す気もなく、バックミラーに映る伊地知を睨む。

 

「今日は悠仁に稽古頼まれてたんだけど」

「……す、すみません。ですが……」

「七海が行けばいいでしょ」

 

吐き捨てるように言うと、伊地知はハンドルを握り直して、息を飲んだ。



「七海さんは、ちょうど遠方に出張でして。 今すぐ向かえるのが……五条さんだけなんです」

「……」

 

舌打ちを鳴らしたくなるのを堪えた。
タイミングが最悪すぎる。

 
を見ると、唇を押さえるように手を当てていた。
目元はほんのり赤く、恥ずかしそうに瞬きしている。
 

(……僕のマンションでを抱いてから、高専に帰ろうと思ったのに)


ぐちゃぐちゃにして、の甘い声を何度も聞いて。
自分のものだって――刻みたかった。


でも、緊急なら仕方ない。
そう自分に言い聞かせて、内心の苛立ちを無理やり飲み込んだ。
 


「場所は?」

「……宮城県の、気仙沼付近の廃校です。窓からの情報だと……呪霊の数が多いようで」



それを聞いた瞬間、の目が大きく開いた。 


(気仙沼って……)
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