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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


***


「またね、涼介くん。さっちゃんによろしくね〜」
 
「はい。伝えておきます。お邪魔しました」

 

涼介はおばあちゃんに会釈し、のほうを見た。

 

「ちゃん、またね」

「うん、お兄ちゃんまたね。ばいばい」

 

も笑って手を振っている。

 
僕は少し離れたところで、その光景を見ていた。


(……早く帰れよ)


涼介は最後に、律儀に僕のほうにも軽く頭を下げ、玄関を出ていった。
扉が閉まる音が静かに響く。


は振り返ると、僕のほうに歩いてきた。

 

「先生、すみません。朝ごはん、途中になっちゃって……」

「いや。気にしないでよ」

 

短く返すと、はちらっと腕時計を見た。

 

「伊地知さん、そろそろ迎え来ちゃいますね」

 

慌ててキッチンのほうへ向かおうとする、その背中を僕は考えるより先に手を伸ばしていた。
の手首を掴む。



「せんせ……?」



は振り返り、不思議そうに僕を見た。


言えば、困らせる。
分かってる。
それでも――今、言わないと駄目だと思った。


一度だけ息を飲んでから、口を開く。

 

「……僕も」

 

掴んだ手に、力を込める。
 


「の両親に挨拶したい」

 

そう言った瞬間、彼女の目が揺れた。
戸惑いが混ざっているのが、はっきり分かる。


は耳に髪をかけながら、少し困ったように笑ってみせた。
  


「あ、……きょ、今日は……また今度でも……」

「……なんで? あいつは、いいのに?」

 

自分でも声色が低くなるのがわかった。
それでも、聞かずにはいられなかった。



「“お兄ちゃん”だから? それとも……」



そこで、言葉を切った。
続けたら、もっと嫌な言い方になる。

 

「それは……その……」



そこまで言って、またが黙ったそのとき。
タイミングを見計らったように、玄関のチャイムが鳴った。
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