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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


自分でも思う。だいぶ大人気ない。
でも仕方ないでしょ。だって――

 
(の“嬉しそうな顔”を、勝手に引き出すなよ)


そいつは帰ろうと踵を返した……はずなのに、ふと立ち止まって口を開いた。

 

「帰る前に、ちゃんのおじさんとおばさんに挨拶していこうかな。いいですか?」 

「もちろんよ〜」

 

おばあちゃんはに振り返る。

 

「、牛タン、お父さんとお母さんにも見せてきなさいな。二人も好きだったでしょ?」 

「あ、うん」



が頷いた瞬間、涼介が思い出したように笑った。

 

「そういやちゃん、昔おじさんとおばさんが牛タン食べてたら、急に泣き出してさ」

「“牛さんがおしゃべりできなくなっちゃう!”って大泣きして。おじさんたち、めっちゃ焦ってた」

「うそ、そんなこと言ったっけ……やだ、恥ずかし……!」

 

は顔を赤くしながら苦笑して、涼介の腕を軽く叩いた。

 
そんな他愛もない会話を交わしながら、
二人は紙袋を手に、並んで歩き出した。
肩を並べて、廊下の奥――仏壇のある部屋へと向かっていく。

 
僕はただ、それを見ていることしかできなかった。
いつもの僕なら、空気なんて読まずに割って入ってたはずだ。
でも――今回は、なぜかできなかった。


彼女があいつと並んで歩く、その後ろ姿がどうしようもなく目に残る。
 

(あいつは、いいんだ)


あいつは――“あの部屋”に入れる。
昔から知ってるから。
の両親の話にも、何の躊躇もなく触れられる。


わかってる。
は、悪くない。
勝手に踏み込めない場所があって当然だし、
昔からの関係があるのも、当たり前。




遠くで襖が閉まる音が聞こえた。
それはまるで、彼女の過去と僕との間に、静かに境界線が引かれたようだった。



……僕が一緒にいるはずの、彼女の“今”と“未来”。
それでも、君の“全部”には届かない。



どんなに時間を共にしても。
どれだけ抱きしめても。



の世界には――僕が隣に立てない場所がある。
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