• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


「朝から誰かしら?」

 

おばあちゃんは箸を置いて立ち上がり、玄関へ向かった。



「はーい、ちょっと待っててね〜」
 


ぱたぱたと遠ざかる足音。


が箸を持ったまま、僕を見る。



「……伊地知さん、かな?」

「伊地知だったら、待たせておけばいいって」

「でも……」

「僕が“待て”って言えば尻尾振って待つよ、あいつは」

「そんな犬みたいな……」



そんなやり取りをしていると、おばあちゃんがキッチンに戻ってきた。
だが、その後ろにはひとりの青年が見えた。

 
年の頃は大学生くらい。
手には紙袋。
日に焼けた健康な肌に、Tシャツとジーンズ。

 
(……誰だ?)

 
そう思った、その瞬間。

 

「あ……涼介お兄ちゃん」

 

の声が少しだけ弾んだ。
その表情は驚きと、懐かしさが混じったもの。


(お兄ちゃん?)


その青年――涼介はに気づくと、ぱっと顔を明るくした。

 

「ちゃん。久しぶり。大きくなったね。あと……綺麗になった」

 

そう言われて、の頬がほんのり赤くなる。

 

「あ、え……そ、そんなことないよ」


 
(……は?)


“綺麗になった”って……誰目線だよ。
てか、も嬉しそうにしてるし。
自分でも驚くくらい、感情が荒れる。



「あ……」

 

涼介が僕に気づいた。
少し驚いたように目を瞬かせてから、軽く会釈をする。
僕が首を傾げていると、が慌てて口を開いた。

 

「あ、先生。 こちらは、近所に住んでる青山涼介くんです」

「涼介お兄ちゃんのお母さんと、うちのおばあちゃんが友達で。 小さい頃、おばあちゃん家に来たときは、よく一緒に遊んでて……」

 

“幼なじみのお兄ちゃん”。

 
(……そういうことか)

 
だから、あの距離感か。
だから、ああいう言い方か。
頭では理解できても、感情は全然追いつかない。



「初めまして。青山涼介です」

 

涼介があらためて僕に軽く頭を下げると、おばあちゃんが僕を紹介した。
/ 567ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp