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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


「ずっと立ち止まってたが、ようやく前に進んでくれたような気がしてね」

「それに、先生や伊地知さんと一緒にいるあの子を見てると……」

「照れたり、焦ったり、嬉しそうにしたり、困ったり……あんなふうに、素直に感情を出すを見るの、本当に久しぶりで」



おばあちゃんは、僕の方へ視線を向けた。

 

「先生のおかげだよ。 これからも、を公私共々よろしくね」

「ん?」

 

おばあちゃんはニヤニヤしながら、続けた。

 

「もう、誤魔化さなくていいのよー」

「の彼氏って……先生でしょ?」

 

やっぱり、気づかれてたか。
この人、初めて会った時からどこか鋭いと思ったんだよな。

 

「僕は隠すつもりはなかったんだけどね……がどうしてもって言うからさ」

 

わざとらしく肩をすくめてみせると、おばあちゃんは吹き出すように笑った。

 

「あはは。 あの子、あれで隠してたつもりなのかしら? が先生を見る目、恋してるって感じでバレバレなのに」

「あ、先生がうちの孫にデレデレしてんの見るのも、面白いけど」 

「え? 僕も?」

「若いっていいわねぇ。尊いわ~」

 

おばあちゃんはグラスを軽く揺らしながら、くすっと笑った。

 

「……先生が、の心をさらったんだねぇ」

 


 
心を、さらった――


そんなふうに言われたのは、はじめてだった。
むしろ、さらわれたのは僕のほうだ。


最初は気になっただけだった。
放っておけない、くらいの感覚で。

呪力じゃない力を持ってるけど、普通でおとなしい子。
でも、彼女が笑うたび、怯えるたび、踏み込ませない顔をするたび。

気づいたら、ずっと欲していた。
彼女の“心”を。
僕に向けてくれる、たったひとつの居場所を。
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