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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


「まだ、話――」

「君は五条悟だから最強なのか? 最強だから五条悟なのか?」

 

遮るように、傑が言った。

 

「生き方は決めた。後は自分にできることを精一杯やるさ」

 

そう言って、傑は背を向けた。
もう一度呼び止めようとしたが、足が固まったように動かなかった。

 

「おい、傑!」

 

必死に声を上げても、もう届かない。


 
「傑……っ」

 

傑の輪郭が、闇の中に溶けていく。
結局、また夢の中ですら僕は――


僕は、あいつを引き止められなかった。
一人にしてしまった。
そして、また僕は置いていかれたままだ。

 

「……くそ」



握りしめた手の中は、空っぽだった。
虚しさ、悔しさ、哀しみ。
名前をつけられない感情が絡まり合って、胸の奥で重たく沈んでいく。
 





そのとき――

 

ひらり、と。
視界の端で、何かが揺れた。

 
風に乗って、小さくて白い光が舞い降りてくる。
雪? ……いや、違う。


花びらだ。


一枚、また一枚。
頬に、肩に、髪に触れては消えていく。

 

「……あったか……」

 

やがて、一枚の花弁が僕の手のひらの中へ落ちてきた。
掴んだはずのそれは、何の感触もないのに。
不思議と、じんわりとした温度が伝わってくる。


さっきまでの寂しさも、後悔も、怒りも、虚しさも。
全部その一枚に、そっと包まれていくようだった。



――僕はその温かさに身を委ねて、ゆっくりと目を閉じた。
 





















 

まぶたの向こうから差し込む光が、じわりと視界を染めていく。
頭が重い。
口の中が乾いてる。
身体の下には布団の柔らかさ。


目を開けると、見慣れない天井が見えた。
ここどこ?
なんで、僕寝てんの?


ああ、そうだ。
僕、の実家に来て……








「あ、先生……起きましたか?」


 
少し控えめで、でも安心したみたいな声。
その声だけで、身体より先に心が起きる。 

 

「よかったー。お酒飲んで倒れちゃったんですよ……ほんと、びっくりしました」

 

僕の顔を覗きながら、優しく笑っている。
その笑顔を見た瞬間、触れたくてたまらなくなった。
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