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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


「あの子といると、最強とか呪術師とかどうでもよくなる……」

 

気づけば、自然と口元が緩んでた。
それを見た傑が、目を瞬かせて驚いている。

 

「それ……だいぶ本気だな。 まさか、悟からそんな話を聞く日が来るとはね」 

「いいだろ。 出会っちゃったんだよ」

 

照れ隠しみたいにそう返すと、傑はにやっと笑った。

 

「なんか嫉妬するなぁ。先越された」

「は? お前、さっき“みんな好き”って言ってただろーが」

「好きだけど、本気で“好き”とは違うんだよ」

「……やっぱ、お前の方がクズだろ」 

「ははっ、ひどいなっ。でもまあ、否定はしないかな」

「しないのかよっ」

 

二人で笑った。
くだらないことで、ああだこうだ言い合って。
何気ないやり取りが、懐かしくて、愛おしくて。

 

ずっと、こんなふうに話したかった。
のことを。
どんなふうに出会って、
どうやって付き合って、
どんなふうに、結ばれたのか。



「……その子、って言うんだけど――」



続きを話そうとしたその瞬間――

 




さっきまで、そこにいたはずの傑がいなかった。
まるで最初から、誰も座っていなかったみたいに。

 

「……傑?」

 

呼んでみるが、返事はない。
教室の空気が、すうっと冷えていく。
蝉の声は、いつの間にか消えていた。

 
僕は立ち上がって、教室の扉に手をかけた。
扉を開けた、その先。
広がっていたのは、底の見えない闇。
ただ、黒い空間が永遠に広がっている。

 
暗闇の中を少し走ると、見慣れた背中が遠くに見えた。

 

「傑!」

 

呼びかけると、傑が立ち止まった。
ゆっくりと振り返る。

 

そこにいたのは、“あの時”の傑だった。
高専を去った、あの日と同じ。


 
「どこ行くんだよ」

 

近づこうとするが、足が異常に重い。
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