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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


見事すぎるほど綺麗に、先生が背中から畳の上に倒れ込んだ。
 


「せ、先生っ!!?」



私は慌てて駆け寄り、顔を覗き込む。
目を閉じたまま、ぴくりとも動かない。



「……寝てる……?」



伊地知さんが、先生の手元に転がった缶を拾い上げる。



「五条さん、ジュースと間違えたみたいですね。これ、アルコール三%です」 

 

ラベルをよく見ると、小さな字でそう書かれていた。
パッケージだけ見たら、ジュースそのものだ。

 

「ど、どうしよう……っ」 

 

私が呆然とつぶやく横で、おばあちゃんはなぜか感心したように頷いた。



「……下戸って聞いてたけど、一口でこうなるとわねぇ」 

 

いや、感心しないで!? 

 
おばあちゃんは、ぽんと手を叩いて言った。 



「じゃあ――今日はうちにお泊まりだね、五条先生」

 

……え?

 
え、ちょ、ちょっと待って。

 

伊地知さんは「では、明日の朝に迎えに来ます」と頭を下げ、おばあちゃんは片付けに移っている。 
キッチンへと歩いていく背中を、私はただ目で追うことしかできなかった。
 

私だけが取り残されたみたいに、その場に立ち尽くした。 

 

先生が、うちに泊まる? 

 

畳の上に大の字で眠るその人は、あまりにも無防備で。
白い髪が、呼吸に合わせてゆっくりと揺れている。
頬はうっすら赤く、熱を含んだ寝息が静かに漏れていた。

 
先生が、こんなふうになってしまうなんて。
お酒って、すごい。
おばあちゃんは「少しすれば起きるよ」と言っていたけど……ほんとに、大丈夫かな。


私は心配で先生の隣に座り、おばあちゃんが持ってきてくれたブランケットをその肩にかける。 

 

心配と、戸惑いと、ほんの少しの高鳴り。 

 

――こうして。


今度は、先生が。
私の実家に泊まる夜が始まった。
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