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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第18章 「血と花の話をしましょう**」


***


「さーん、おはようっす! ……って、ん?」



朝の宿泊ホテルのロビー。
明るい声が飛んできた瞬間、私は少しびくりと肩を揺らしてしまった。


振り返ると、新田さんが元気よく手を振っていた。
明るい金髪のボブスタイルに、耳元のピアスがきらっと光っている。
元ヤンらしいけど、補助監督さんの中では年も若くて話しやすい。
その新田さんが、じーっと私の歩き方を見てくる。



「なんか……歩き方、変じゃないっすか?」

「へ……っ、そ、そんなこと……」



言いかけたところで、思わず言葉がつかえた。



「なんかこう、ぎこちないっていうか……」

「……っ、い、いや……その、ちょっと筋肉痛で……」



普通に歩いてたらつもりだったけど……
太ももと腰がだるくて、歩くたびに身体に響く。
筋肉痛の理由は、一つしかない。


(だって……あんな何回も……)


昨夜のことが、脳裏にフラッシュバックする。
何度も抱きしめられて。
最後はもう何も考えられなかった。
先生に触れられたところが、まだじんわり熱を持ってる気がする。



「昨日の任務、筋肉痛になるぐらいハードだったんすか?」



首をかしげながら、新田さんは本当に不思議そうな顔をしていた。
そんな純粋に聞かれると、逆に困る。



「えっ、あ……あはは……」



思わず曖昧に笑ってしまった。
けれど、その笑いが自分でもぎこちないのがわかる。
顔が熱くなっていくのをどうにもできなかった。


(もー、先生のせい!)


新田さんはジッとこちらを見たあと、ふっと表情をゆるめた。



「無理しちゃダメっすよ。移動もあるし、しんどかったらすぐ言ってくれていいっすから」



明るく、でもどこか優しい声音。
その一言がかえって、胸に刺さる。



「だいじょうぶです、運動不足ですかね。あはは⋯⋯」



嘘を重ねるたび、申し訳なさが積もっていく。
新田さんは「そっすか」とだけ言って、それ以上つっこむことはせず、ぱんっと手を叩いた。



「じゃ、行きましょっか! あ、七海さんと五条さんは、さっき先に出発したっす」

「……はい」
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