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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第5章 「境界に口づけて」


「、お疲れサマンサ〜」



突然の明るい声に、はびくっとして顔を上げた。



「お、おおお疲れ様ですっ……!」



舌がもつれる。
自分でも情けないくらい声が裏返っていた。


五条は気にも留めず、にこりと笑って言う。



「安心してよ。初日から地獄の特訓なんてしないから」

「……えっ」



あまりにさらりとした口調に、は間抜けな声を漏らす。


(……今後は地獄ってこと……?)


頭の中で思わず突っ込んでしまい、余計に心臓がうるさくなった。


***



「じゃあまずは、小太刀の持ち方からね」



五条がそう言い、の手元に視線を落とした。



「握り方、ちょっと貸して」



大きな手がの指を一つひとつ解き、正しい位置に添えていく。
指先から手のひらまで、じんわりと熱が伝わってくる。
ただ手を整えられているだけ――そうわかっているのに、意識が全部そこに集中した。



「うん、いいじゃん」

「じゃあ素振りね。こうやって――」



背後に回った五条が、の肩に手を置く。
軽く、だけど支配するような感触。



「力入りすぎ。もっと肩の力抜いて。……そうそう」


耳元で声が落ちる。
首筋にかすかにかかる吐息。
その一瞬だけで、背中が震えた。



「体重の乗せ方。腰、ここ」



腰骨に沿って指先が触れる。
軽く押され、正しい位置へ導かれる。


(……こんなの、耐えられない)


自分の鼓動が、五条に伝わってしまいそうで怖い。
でも――離れたくなかった。


――その時。
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