• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第18章 「血と花の話をしましょう**」


先生が今まで付き合ってきた人たちは、もっと大人で、もっと余裕があって。
先生を困らせたりしなかったんだろうな、って。
そう思ったら、また落ち込んできて、少し泣きたくなった。



「……すいません。私、誰かと付き合うの……初めてで」

 

布団に顔を埋めたまま、ぽつりと呟く。
情けない声が、シーツに吸い込まれていった。

 
先生は私の顔を見て、ほんの一瞬だけ固まった。

 

「……あー……まって。なんか違う意味で伝わってる」



珍しく慌てた声。
先生が、慌ててる……?
後頭部をかきながら、視線を泳がせている。



「僕もさ。ちゃんと“付き合う”っていうの、初めてなわけ」

「……え……?」



(うそ……)


先生も?
誰かと、ちゃんと、って……



「だから、些細なことで……僕も、一喜一憂するってこと」 



先生が小さく笑った。



「……から連絡なかった日とかさ。今なにしてるんだろ、とか、僕のこと思い出してくれてるのかな、とか。しょうもないことで、ぐるぐる考えたりするわけ」

 

(え……先生が……?)


思わず顔を上げる。

 

「でさ、野薔薇たちと楽しく過ごしてたとか聞くと、なんか――」
 


そこで先生は一度、言葉を飲み込んだ。

 

「……なんかこう、胸のあたりが、もやっとすんの」



先生がそんなふうに思うなんて――想像したこともなくて。
気づけば、口が勝手に動いていた。



「先生は、そういうこと……思わないのかと、思ってました」

「……は僕をなんだと思ってんの?」



先生が拗ねたように、唇を尖らした。
その声に背中を押されるように、私はひとつ、呼吸を整えて――
/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp