第18章 「血と花の話をしましょう**」

（だって……先生との……赤ちゃん……なんて……）


ぶんぶんと首を振った。
まだ付き合い始めたばっかりだし。
そんなのまだ全然早いし、ダメに決まってるのに。
ちゃんとした覚悟なんて、まだできてないのに。


……なのに。


心臓の音がさっきよりも速くなっている気がした。

　




「、何考えてんの？」

　

ひゅっと息が止まりそうになった。



「な、なにもっ……！」

「ふーん？」



その声が聞こえたと思ったら、先生の手が私の腰にかかった。

　

「え、な――わっ……」

　

するりと体勢を変えられて、うつ伏せにされる。
頬がシーツに触れて、お尻が無防備にさらされているのがわかった。

　
（や、この体勢、恥ずかしい……っ）


熱をもった先生の吐息が、後ろから耳元に降りてくる。



「……今日は、立てなくするって言ったでしょ？」



回された腕が私をしっかりと固定し、先生がまたゆっくりと腰を沈めてきた。


（……っ、だめ、まだ……）


そう思ったのに。
私の身体はまるでそれを待っていたみたいに、すんなりと先生を受け入れてしまった。

　

「……っ、ぁ……」

　

からだが熱くて、息もうまくできなくて。


さっきまで、何を考えてたんだっけ……
それすら、遠くなっていく。


こうして重なって、お互いの呼吸が合わないまま混ざって。
触れ合う肌がじっとりと吸いついて――
全身がとろけてるみたいに感じる。


頬に擦れるシーツの感触だけが、わたしを現実に引き止めてくれていた。