第18章 「血と花の話をしましょう**」
気づけば、Tシャツの中に手を差し入れていた。
胸に触れた瞬間、ぴくりと小さく身体が跳ねた。
自分の手なのに、まるで先生が触れたみたいで……おかしくなりそうだった。
「あっ……」
かすかに漏れた自分の声が、やけに大きく響く。
誰もいないはずなのに、恥ずかしくて。
(最初は、こんなふうに触れてくれて……)
痛くないように、怖くないように――
先生がそうしてくれたみたいに。
自分の指で、胸の頂点をそっと押し上げた。
(……なにしてんの、私)
(こんなこと、ダメってわかってるのに)
(でも……変な感じ……止まんない……)
もっと確かめたくて、指にそっと力を込めた。
軽く摘んだだけなのに、痺れるような甘い痛みが走る。
咄嗟に唇を噛む。
声が漏れないように、必死で堪えた。
下のほうが、じんってして、そこから熱がじわじわ広がっていく。
頭がぼやっとしてきて、でも……指の感覚だけは、はっきりと感じた。
(先生の、大きな手で……また、触れてほしい)
その願いに引き寄せられるように、もう片方の手が動いた。
ゆっくりと、ショートパンツの中に指を滑らせる――
下着越しにそっと指を押し当てると、もう、濡れていた。
自分でも驚くほど敏感になっていて、布越しにそこを撫でるだけでも小さく跳ねてしまう。
「んぅ……っ」
抑えきれず、短く声が漏れた。
自分の声を聞いた瞬間、恥ずかしさと罪悪感が襲ってくる。
でも、止まれなかった。
頭の中で、先生が私を呼ぶ声が響く。
耳に落ちた吐息。
頬を包む、大きくてあたたかい手。
唇が触れて、舌が絡んできたときの――
柔らかくて、熱くて、
こっちの舌を優しく誘うように、くすぐってくる感触。
(気持ちよかった、あのとき……)
唇が離れるたび、
ぬるく残るお互いの唾液と、じんわり熱を引く舌先。
それだけで、下腹がきゅって疼く。
(また、先生ので……いっぱいにしてほしい……)
先生が奥を突くたびに、潰されちゃうって思った。
でも――それ以上に、気持ちよさが全部上書きしていって。
怖いのに、嬉しくて、どうしようもなく求めてしまったあの感覚。
手はもっと深くへ。
いつの間にか、下着の内側へ手を滑らせていた。