• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第17章 「花は蒼に濡れる**」


(それで、僕の名前を呼んでほしい)


すがるみたいに。
許しを請うみたいに。
心から本気で僕を求める声で。

 
それで――

 
(“僕からは逃げられない”って思わせたい)


どこにも行けないって、
僕がいないとダメだって、
身体の芯からわからせたい。


(……こんな僕をが知ったら……どう思うんだろ)

 
引くかな。
怯えるかな。
もう触らないでって、そう言われるかな。

 
(でも――)

 
それでも、止まらない。
触れたくて、抱きたくて、
愛したくて、壊したくなるくらいに愛おしくて。


バスルームのドア越しに、微かに響く水音。
そのたびに、頭の中で濡れたの身体が浮かぶ。



「……シャワーの音までエロく聞こえるって、どういうこと……」

 

髪が背中に張り付いて、白い肌に水が流れて――
鎖骨のあたりに滴が伝って、胸元に吸い込まれていく。


(鎖骨のくぼみを舌でゆっくりなぞって、首筋から胸のふくらみまで跡を残していく。そこ、絶対弱い)

(下着ずらして、ぬるっと濡れたところに指を沈めたら、、どんな声出すかな)

 
想像の中のが恥ずかしそうに振り返る。
濡れた睫毛の奥、潤んだ瞳。

 
その視線だけで、全部持っていかれる。
 

(あー……今日優しくできるかな、僕)
 

優しくしたい。
ちゃんと大事にしたい。
不安にさせるようなことはしたくない――

 
……のに、
頭の中ではもう、の柔らかいところ全部に手を伸ばしてる自分がいて。
甘い声も、涙も、全部欲しがってる自分がいて。



「……壊しちゃったら、ごめん」


 
そう呟いた声は静かに流れるシャワーの音に、そっと溶けていく。

 



そして五条はその音にじっと耳を澄ませたまま、ソファの背に深く身を沈めた。
/ 442ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp